福岡ソフトバンクホークスボンドの発行条件
ソフトバンクグループは、4月18日、総額6,000億円の個人向け社債の利率を年3.34%に決定したと発表しました。申込期間は4月21日から5月1日までで、払込期日は5月2日です。
今回発行される個人向け社債は、同社の個人向け社債としては過去最大です。調達資金は個人向け社債の借り換えや、2023年8月に傘下のビジョン・ファンドから英半導体設計アーム株を取得した際の未払い金の一部に充てるとのことです。
今回発行される個人向け社債は、第65回無担保普通社債で、福岡ソフトバンクホークスボンドという愛称が付けられています。利率は年3.34%、償還期間は5年、償還期限は2030年5月2日です。

申込期間は、2025年4月21日から2025年5月1日までとなっています。

発行条件に記されている「財務上の特約」とは、社債の発行に際して、社債権者を保護するために発行会社に対して課せられた財務上の取り決めのことです。今回は、「担保提供制限条項」「担付切換条項」
「純資産額維持条項」が付されています。
担保提供制限条項とは、当該社債権者の地位を保護するために、発行会社が既に発行している他の社債や今後新たに発行する社債に対して、抵当権及びその他の担保物権の設定を制限する条項のこと。
担付切換条項とは、発行会社が当該社債権者の権利保全措置として、担保権の設定を行うことで担保付社債へ切り換えることができるという条項のこと。
純資産額維持条項とは、最終的な償還原資を確保するために、純資産額を社債発行時の一定水準以上に維持する条項のこと。
この社債券の格付けはシングルAとなっており、債務履行の確実性は高い社債券として評価されています。

なお、申込期間中に今回の社債券を購入された方全員に、『お父さん応援隊長 トラベルポーチ2点セット』をプレゼントという特典が付いています。
個人向け国債との比較
今月の個人向け国債の利率は、変動金利型10年が0.93%、固定金利型5年が0.95%、固定金利型3年が0.78%ですので、福岡ソフトバンクホークスボンドの条件が非常に良いものというのがわかります。

個人向けの社債を購入する際のリスク
個人向けの社債を購入する際には、個人向け国債と異なり、リスクについて検討する必要があります。個人向け社債のリスクには、信用リスク、価格変動リスク、流動性リスクがあります。
発行企業が倒産した場合などでは、、元本や利息の支払いが行われない場合があります。このようなリスクを信用リスクといいます。しかし、ソフトバンクのような大手企業の社債で元本が戻らないリスクは低いと思われます。
債券価格は、金利に大きく影響を受けます。金利が上昇すると市場価格は下落し、金利が下落すると市場価格は上昇します。このような価格の変動を価格変動リスクといいます。
また、償還途中で社債を売却する際は、購入した証券会社と相対で取引する場合が多く、その場合、証券会社からの提示価格に従うほかありません。一般的に低金利局面では、売却益は期待できません。このようなリスクを流動性リスクといいます。
しかし、満期まで保有していれば、価格変動リスクや流動性リスクは回避されます。
預金から社債へのシフト
金利の上昇期において、個人にとっても預金と比べた社債金利の高さが魅力となり、預金から社債にお金を移す動きに広がっています。
昨年末に発行したソフトバンクグループの個人向け社債は、償還期間7年、年利率3.15%で発行され、即日完売になりました。

今回のソフトバンクグループの個人向け社債も即日完売するかもしれません。自己責任の原則のもと、興味のある方は、証券会社等のHPをご確認下さい。